満年齢を自粛

校閲談話室」というのはもちろん今はなき「談話室滝沢」へのオマージュでもあり、そして私は「オマージュ」(仏語由来)は「敬意」ではなく「追悼」と長年勘違いしていたわけだが、「談話室」と銘打っているのは業務中ひっきりなしに「?」が浮かび、でも業務中であるからいちいち発声するわけにもいかず、結果妄想?もしくはお洒落に言うなら「脳内会議」となって、けんけんがくがくの事態となり、これをさして「談話室」と言っているのです。


ではきょうの校閲トピック:

治験で対象となる被験者の適格条件などで
白血球数が
「>8000/μl(1マイクロリットルのうち8000個)」とあれば概数なので「8000/μl以上」と訳出します。
しかししかし「>65 years」とあるときは
「65歳以上」なのでしょうか、「66歳以上」なのでしょうか?
たぶん「65歳以上」と訳出すべきで(ですよね?)、満年齢で「65歳と1ヵ月」の患者も適格なのだと思いますが、そもそもこんなアバウトな表記でいいんかい、とか思います。
それとも「65歳以上」と訳出されるのは自明なのでしょうかね?
「65歳を超える」とすると和訳でも基準点があいまいにできます、というかできてしまいます・・・。「65歳以上」を含意しているから。

こんなことならいっそ数え年を採用してしまえ!あ、でも問題は解決されないんだった・・・。数え年は厄年とか享年をいうときに気にしますよね。