2010-01-01から1年間の記事一覧

cadaver allograft

「遺体からの同種移植片」と訳文にありましたが(確かに気持ちは分かりますが)、臨床分野ではcadaverは「死体」で、「死体同種移植片」となります。生体肝移植とかいいますが、思えば以前はすべて「死体腎移植」だったのですね。それから「die(d)/pass(ed) …

Adverse Drug Reaction

周囲を見渡して、どうやら自分が一番分かっていないらしい、と感じる場面が増えているのは…、きっと発展の途上にあるから。発展家というと意味がちがってくるよ。 この薬の「Adverse Event」(有害事象)と「Adverse Drug Reaction」は、というときに、後者…

ラインストーン

今日のキラキラ☆トラップ。おしゃれな女子の皆さんに朗報。アクセサリーなどの「ラインストーン」って「キラキラ光る石がラインに並んでるんでしょう?」と漠然と思っていたのですが、rhinestoneというスペルを初めて目撃。え、それはライン川で採れる石とか…

同意書:患者様

前日と同じ本に、「患者様」「お薬」というような過剰な丁寧表現も避けるべきで、「患者」「患者の方」等を使うべき、と書かれてありました。「お薬」は例えば小児用であれば、その語でもまあ良いのでは?と個人的には思います。「患者様」はたしかに、言葉…

同意書:危険性

「希望小売価格」という語句を目にしました。希望をどこかで売っていますか。私は希望を買い求めたいと思います。そのときは小売で。さて患者さんへの同意書の話。 「(予測される)危険性(risk)」や「有害事象」「有害作用」という言葉は使わず、「好まし…

多施設共同

Multi-center studyは「多施設共同試験」と訳出します。複数の医療機関で実施する治験のことです。これが「Multi-center, randomized study」など、studyの前に別の語句が入ってくると、「多施設ランダム化試験」というように「共同」が入っていない訳語が多…

再び「病院前」

「病院前」って表現はねえ、という話をたしかしていましたが(http://d.hatena.ne.jp/taic/20100629)、この言葉は主に、病院に搬送される前の救急救命医療のことを指す、メジャーな表現なのですね。プレホスピタル。

Caucasian/Black/Hspanic/Oriental

臨床試験を実施した人種データについてよく出てくる表現です。Caucasian/Whiteは「白人」、Blackは「黒人」、Hspanic/Latinoは「ヒスパニック系」と訳出しています。Orientalを今回訳者さんが「東洋人」としていたのですが「アジア人」(Asian)が多分適切な…

創傷の成熟

「ノウハウ集」が「ウハウハ集」に見えました。「創傷が成熟(mature)した」という文章があって一瞬手も目もとまりましたが、創傷が治癒に至るまでのプロセスを「炎症期→増殖期→成熟期」というのですね。

同社と当社

「当社」とちがって、「同社」は「第三者が」ある会社のことを指すときに使いますよね、とふと言われて、アゼン。全然疑問に思わずに使い続けてきたよ今まで!がんばるんだアムンゼン。難局じゃなかった南極めざして。

First-in-Human試験

文字通り世界で初めて治験薬を投与する場合、First-in-Human試験というそうです。9月28日の日記にマイクロドーズ試験について書いていますが、これもFirst-in-Human試験に入るでしょうね。今まで何度かこの語に遭遇してきたけど「初めて人に投与します」とか…

イントロンとエキソン

1個のタンパク質を設計するDNAの領域(エキソン)は、情報を持たない非コード領域(イントロン)に分断されています。エキソンは意味があるけど、イントロンには意味がない。最終的にイントロンは除去されて(スプライシング)、エキソン同士がくっつきます…

再び「雇用機会の提供」

「雇用機会を提供」の日記(http://d.hatena.ne.jp/taic/20100914/1284466753)で、その日本語は職を得ることを100%保証しているのかどうかを問うていましたが、それは企業買収によって社員が今後どうなるかという文脈だったのでした。なら当然100%の保証…

遺伝子とDNAとゲノム

遺伝子<DNA<染色体<ゲノム、という表記は不正確かもですが。遺伝子:録音された部分 DNA:テープ 染色体:カセットテープ ゲノム:カセットテープの集合体 というたとえが「好きになる分子生物学」に書かれてありました。ほむほむ。

アンサイクロペディア

http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8自由気ままな百科事典、とのことです。左にある「秀逸な記事」が有名かなあ。

マイクロドーズ

サブカルチャーといったら、みうらじゅんや宮沢章夫ではなくて、継代培養のことなんだって。 そうそう、マイクロドーズというのもありました。 以下治験ナビより: マイクロドーズ臨床試験(マイクロドーズ試験)の略称。ごく微量の化合物をヒトに単回投与す…

外套

今日は急激に寒くなって、コートの襟を思わず立てたくなる気温でしたね(実際は全力疾走で会社をめざしたため、適温)。本を見ていたら、軟体動物には背側で内臓を覆う「外套膜」がある、と書いてありました。タコが外套を着ているなんて洒落ている。岩波生物…

休日の理想郷

校閲は「佐藤錦を桐箱におさめる仕事」と決めました。一点一点お客さんの注文に応じたオーダーメイドの宝石が、ポケーッと座ってても手元に届くのだから、それを一等きれいな箱入りにしようぢゃないかあとハップンするのは当然のことぢゃあないかあ。て思っ…

賞賛の効用

「the agreement is subject to the closing conditions, …」の訳語を「本合意は、この取引完了条件に適合することが前提となっており〜」としていたら。 「適合」はあいまいな表現なので「本合意は、この取引完了条件を満たすことが前提となっており」に修…

テクノロジー「ズ」

excelでのミススペルや誤字脱字のチェックは、Wordに貼り付けて校正かければ良いんだね!思いつかなんだ。 本国本社では「〜テクノロジーズ社」、日本法人は「〜テクノロジー社」という会社の表記名で、間違えたよ(泣)。きっと何かの陰謀だ。過去には帽子…

マルチドーズとユニットドーズ

先日の日記(http://d.hatena.ne.jp/taic/20100908)でふれましたが、マルチドーズとは、 「〜複数回にわたり服用または使用することを目的とし、キャップなどの開封、再封を自由に行うことができる包装形態のこと。これとは対照的に、単回の服用または使用…

暴露と曝露

オンブズマン(ombudsman)て当初、しかも比較的長きにわたって、「お助けマン的な何か」と思っていたなぁ・・・。オンブする人的な。滅茶苦茶な発想です。5月18日の「漢字表記の統一」の日記(http://d.hatena.ne.jp/taic/20100518/1274177257)で、 ・「暴露…

臨床検査とCRO

下記のような記事を読むと、何かのときに、いざってときに、役立ちそうな、そうでもないような。でも、業界の流れが少し分かります。【BML、米社と共同で国内に検査室を開設 国際治験拠点に】 臨床検査受託大手のビー・エム・エル(BML)は医薬品開発…

雇用機会を提供

裁判傍聴芸人という肩書きがあるなら、校閲芸人というキャリアを目指してみようか、と今朝ふと思いました。OL芸人なら、オアシズの大久保佳代子とか先達がいるし、ということで。今日は「offer employment」の訳出のときに悩みました。訳文は「雇用を提供」…

容量

投与量で、まちがいやすいのが溶媒で希釈して一定濃度として投与した場合。このときは「用量」ではなくて「容量」となります。動物試験でよく出てきます。「被験物質を溶媒(PEG 300)に希釈して濃度を0.2 g/mLとし、投与容量を10 mL/kgとした。」など。てゆ…

用量

「女性にうれしいコラーゲン」というよく耳にするフレーズが、あるときある理由から、うれしくなくなったYo!ヒトや動物に投与する薬物の量のことを用量(dose)といい、1回量や1日量で示します。抗がん剤は体表面積(BSA: Body surface area)あたりの量で…

「原料」と「原薬」

「原料」「原薬」という用語は混乱ファクターのひとつです。製薬会社の製造工程といえば、有効成分(API:active pharmaceutical ingredient)である「原薬」(drug substance)に、無効成分の賦形剤(diluents/excipient)を添加して製剤をつくる、というの…

アリルとアリールとアレル

訳ヌケをお客様に指摘されました。ぬれねずみの気持ちで修正データをすごすご作成した後ファイル名をつける際、「才能品」と漢字変換されたときにはぬれねずみにひとすじの光明が!やはり自分の辞書に「再納品」というコトバはないのだなあ!先日アリル(all…

対症療法と姑息

薬物療法は大きく4つに分かれます。 ・原因療法 疾病の原因そのものを除く療法。抗生物質など。 ・対症療法 疾病に伴う症状を緩和・軽減する療法。風邪などに対する療法。 ・予防療法 疾病の予防をするための療法。インフルエンザワクチン投与など。 ・補充…

アリルとアリール

もうもはやトラップと言われても理解できないトラップですが、先日のシリコンとシリコーンと同様、両者は別のもののようです。(下記は理化学英和辞典より) アリル基 allyl n. 【有機】 アリル基: CH(2)=CHCH(2)‐ 2-propenyl ともいう. 日本語は ar…